人間の壁 ★ 石川達三
2005年 08月 16日
だらだら、読んでいたのですが、ようやく読み終わりました。新潮文庫、全3巻です。
重い内容です。あらすじは、昭和30年代、封建意識の根強い地方都市で夫との不和に心を砕きながらも児童の学習と生活の向上に取組む小学校教師、志野田ふみ子は突如退職を迫られた。理由は、特に彼女に落ち度があるわけではないが、県の財政難のため、夫と共働きの教師である彼女は、いま首を切られても生活に困らないと判断されたからだ。
民主教育の定着をめざす教師たちは、教育の国家統制を目論み、資本主義を推し進める政府との闘いに立ち上がる。戦争が終わり、新しい社会を作っていこうとする先生達と、教育の原点と人間の生きがいを問う問題作。
教育の問題は何が正しくて何が悪い。と判断するのはとても難しいと思いますが、
この昭和30年代の、一クラスに50~60人以上、の生徒がいる。
それなのに、先生の首を300人近く切らなければならない。このままでは、
一クラス70人以上になる。また、先生の給料、賞与はカットされて、昇給も見送り…。
このような状況では、子供達のために教育ができない。という状況。
先生の中にも、合理主義的に生徒に接する先生、生徒一人一人に温かく接する先生。
戦前の国家や天皇につかえることをよしとする教育を信じる先生、
児童の自主性をやしない、批判力を育てる、本当の意味で平和と平等を尊ぶような
新しい教育をしていこうとする先生。
様々な先生が登場し、いろんな理論が見えてきて、
果ては、社会党、自由民主党の政治勢力の対立にまでつながっていきます。
戦後の教育を考えさせられる本です。
出版社: 新潮文庫
定価: ¥420、¥462、¥462(税込)
著者: 石川 達三
評価: ★★★★★
重い内容です。あらすじは、昭和30年代、封建意識の根強い地方都市で夫との不和に心を砕きながらも児童の学習と生活の向上に取組む小学校教師、志野田ふみ子は突如退職を迫られた。理由は、特に彼女に落ち度があるわけではないが、県の財政難のため、夫と共働きの教師である彼女は、いま首を切られても生活に困らないと判断されたからだ。
民主教育の定着をめざす教師たちは、教育の国家統制を目論み、資本主義を推し進める政府との闘いに立ち上がる。戦争が終わり、新しい社会を作っていこうとする先生達と、教育の原点と人間の生きがいを問う問題作。
教育の問題は何が正しくて何が悪い。と判断するのはとても難しいと思いますが、
この昭和30年代の、一クラスに50~60人以上、の生徒がいる。
それなのに、先生の首を300人近く切らなければならない。このままでは、
一クラス70人以上になる。また、先生の給料、賞与はカットされて、昇給も見送り…。
このような状況では、子供達のために教育ができない。という状況。
先生の中にも、合理主義的に生徒に接する先生、生徒一人一人に温かく接する先生。
戦前の国家や天皇につかえることをよしとする教育を信じる先生、
児童の自主性をやしない、批判力を育てる、本当の意味で平和と平等を尊ぶような
新しい教育をしていこうとする先生。
様々な先生が登場し、いろんな理論が見えてきて、
果ては、社会党、自由民主党の政治勢力の対立にまでつながっていきます。
戦後の教育を考えさせられる本です。
出版社: 新潮文庫
定価: ¥420、¥462、¥462(税込)
著者: 石川 達三
評価: ★★★★★
by spring-springer
| 2005-08-16 17:04
| 読書欲