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転職したり、結婚したりしてたら、更新おろそかになってました…。


by spring-springer
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家族 ★ BS2 at Home!

家族 ★ BS2 at Home! _a0025035_1543121.jpgBS2でなんとなく見ました。このごろ偶然にも、私が生まれる前の昭和の映画やら、本やら読んでますね~。

お話はというと、高度経済成長期の日本を。長崎の南端に浮かぶ伊王島に住む風見精一(井川比佐志)とその妻・民子(倍賞千恵子)とおじいさん(笠智衆)と子供二人。働いていた炭鉱が閉山したことにより、小さな島で家族5人の生活に限界を感じた精一は、家族を連れて新しい生活、希望のある生活を求めて、暖かい故郷・伊王島から、北国・北海道の開拓村へと向かう。

この映画では人物描写、時代の背景描写がとても繊細で、イキイキとしています。どちらかというと、演技していると言うよりも、記録映画、ドキュメント映画みたい。

彼らは北海道に行く途中、さすがにおじいさんの面倒はみれないので、
福山市の製鉄所で働く次男(前田吟)のところへ、おじいさんをおいていこうとします。
彼の働いている製鉄所はきれいで、広く、彼自身もマイカー、きれいなお家を持ち、
一見幸せそうに見えます。しかし、内実は、家のローン、車のローンを抱え、
きつい生活をおくっており、とてもおじいちゃんを養うどころではありません。
それで、気をつかった夫婦はおじいちゃんを自分達と一緒に北海道へ連れて行くことを決意します。

福山から、大阪にたどり着きます。
大阪では、乗り換えの電車まで時間が空くので、お昼御飯を食べることにします。
しかし、島の、伊王島から出てきた彼らは、どこで御飯を食べればいいのかわからず、
人に尋ね、「地下街に行けばどこででも食べられる。」と言われます。

ところが、大阪の地下街はたくさんの人、人、人…。
すっかり迷子になり断念して地上にでると元の場所に戻ってしまいます。
どうにかこうにか、お昼を食べられる場所を見つけ、お昼を食べます。

その後、彼らは、まだ時間が2時間くらい余っているし、
「せっかく大阪まできたのだから。」ということで、大阪万博を見物に行きます。

しかし、大阪万博は、あまりにも混んでいて並ぶだけで、1時間半はかかるし、お金もかかるので、太陽の塔の見える入り口で断念して、帰ってきます。時間もギリギリであわてて新幹線に乗るのですが、おじいちゃんはその前にエスカレーターに乗れない。倍賞千恵子演じる、民子さんが、「いち、に、さん」と言わないとエスカレーターに乗れないところなど、よく描けているな~。と思いました。

東京では、無理な旅行行程が良くなかったのか、上野についた時点で、
大事な下の子が、急に具合が悪くなってしまいます。
なれない東京を駆けずり回って病院を探し回りますが、ようやく病院について
医者に見てもらったときは、もう手遅れでした。
「そもそもこの旅自体が間違いではなかったのか?」
と家族は思い悩みます。

教会でお葬式をしたときの魂の抜けたような民子さん(倍賞千恵子)が
なんともいえない美しさでした。

約30年前は伊王島から、北海道に行くのに1週間以上かかったことにも驚きました。
高度成長期を支えた製鉄所、当時の日本の勢いを表すような大阪万博。

時代は変わっても、変わらない家族への思いやり。
「日本ってこんな風に成長してきたんだ。」となんともいえない感慨がありました。
by spring-springer | 2005-08-17 16:19 | 映画欲